2013年3月5日火曜日

大阪旅行⑫ なにわの海の時空館

最初に断っておきますが、

今回あげる写真に人影がまったくありませんが、

けして人が居ないタイミングを見計らって写真を撮っているわけではありません。


この大阪旅行、

最後に行ってみようと思った場所は

船舶や海運、海洋をテーマとする大阪市立の博物館

なにわの海の時空館(なにわのうみのじくうかん)です。





理由は

閉館してしまうと小耳にはさんだからです。




地下鉄中央線コスモスクエア駅下車して

徒歩 約10分ほどの場所にあるそうなので歩きました。







綺麗な駅ですがなんにもないです。



階段から遠くに半球体が見えます。





コスモスクエア駅のすぐ北側にシーサイドコスモと呼ばれる

全長1.4kmにも及ぶ海辺の遊歩道です。



右に夢洲のコンテナふ頭、港のキリンことガントリークレーンが並んでいます。

そのおくには六甲山が見えています。

そして


ワンダーJAPAN TVで見て

いつか行ってみたいと思っていた


舞洲ごみ焼却場がありました。





右手には日本第3位の高さを誇っている
大阪府咲洲庁舎(元WTC)
がそびえたってました。


3,11で大阪は最大震度3の地震ですんだのに

このビルはそれで壊滅的な建物の被害うけたので、

これから15億円かけて耐震対策するそうです。















● 展示棟

時空館の本体は、海面に浮かぶようなガラスドーム。

建物の設計者は、私が衆人環視の面前で言い知れえぬ辱めを受けさせられた


憎っくきシャルルドゴール空港の設計でも知られる

フランス人建築家ポール・アンドリューです。

ここが入口になります。

エントランス棟というらしいです。





港湾とともに発展した大阪の歴史を学べる施設として、



総工費約176億円をかけて平成12年7月に開館しました。








しかし開館当初約20万人の入館者で、年々減少し、

平成22年度は9万5千人にとどまったとのことですが、



それでもこの閑散とした状況を見ると

年間9万人も本当に来たのか?と疑ってしまいます。








運営費は委託料を含めて年約1億9千万円かかるそうですが、



入館料収入は2500万円しかなく、




赤字経営が続いていたため、橋下市長が運営の見直しを指示しました。





では

まず、

エントランスから地下におりると

ジブリに出てきそうな船のオブジェがお出迎えです。


● 海中道 (トンネル)



そしてこの海底トンネル通って展示棟へ行きます。


大阪湾の海底に掘られた60mのトンネルで結ばれています。


でも

どうせ、お金かけて作ろうと思ったのなら

ガラスのトンネルのほうが良かった気が私はします。




トンネルには天窓があって




大阪湾の海の中が見れます








突き当たりのエレベーターをあがると




大きな船の船尾が現れます。


ただ私は正味、


木の船にトキメキはわかないです。




ドームに来るとまず最上階まで上ります。

内側はこんな感じで、展示室が並んでいます。






● フィギュアへッド

展示物のフィギュアヘッド(船首像)です。





航海の無事を祈る船の先に付いているアレです。






● 海の道 ~世界の海洋交流史~


航海計器の歴史のコーナーではノクターナル(星時計)や

六分儀を使って自分が今いる場所がわかる

航海技術の紹介がありました。



航海によってもたらされた一つ

香辛料の紹介もありました。


実際に自分ですりつぶして匂いを嗅げます。






● 菱垣廻船「浪華丸」


約10億円かけて復元したメーン展示物の菱垣廻船(ひがきかいせん)



「浪華丸(なにわまる)」

全長約30メートル、幅約7・5メートル、帆柱約27・5メートル。

菱垣廻船(ひがきかいせん)とは、

日本の江戸時代に、大坂などの上方と江戸の消費地を結んだ

廻船(貨物船)です。





市では時空館を閉館後、

民間業者による施設の再利用を予定していますが、







今後電気設備などの更新にも計20億円必要になるそうで、













光熱費などの維持費が年間約8千万円かかり


天井を取り外して船を館内から外に出すには5億円以上かかるので









10億円かけて復元した菱垣廻船は大きすぎて解体しないと外に出せない


巨大な木の船を残したままでは再利用の方法が制限されるので


とうぜんなのでしょうが








施設とセットにして再利用の業者を

公募していましたが、

1件も応募がないまま、

今月10日閉館をむかえます。








日本船舶海洋工学会という公益社団法人が


「浪華丸」の保存を求める橋下徹市長宛ての要望書提出しましたが、








橋下市長は「要望を出すなら、自分たちが何をするのか示してほしい。


必要だというなら買ってくれたらいい」と批判したそうです。








要望書では史料に基づき復元された浪華丸の学術的価値に触れ、











「海運の中心であった大阪の誇りとして市民を鼓舞する」

などとして保存を求めたのに対し


橋下市長は事務方に検討を任せているとした上で、


「学術的な意味があるのかもしれないが、税金で存続させるべきものではない」

と述べたそうです。





浪華丸は建設中だった時空館の敷地にクレーンで搬入して

その後、

ガラス約4200枚を使った巨大ドームが浪華丸を覆うようにしてかぶせられ、

時空館が完成しました。




国立国会図書館に保存されていた図面や文献などを参考にしながら


クギの打ち方も忠実に再現して実物大に復元されたそうです。








船内には神棚やカマドがありました。












当初は人がコスプレで展示説明していたそうですが、

経費削減で、映像に変わってます。



江戸時代の大坂港をリアルに表現したジオラマ模型が置かれていて、

その前に

大阪市のシンボルである「澪標」(みおつくし)がありました。

そのデザインは大阪市の市標になってます。


沢口靖子の連続テレビ小説「澪つくし」で有名ですね。

水路標識として使用されていました。


● 大坂みなとづくりと発展









みなとの始まりや江戸時代「天下の台所」時代の発展などのパネル、映像で展示


このコーナーでは大阪港のなりたちを紹介しています。


● 海の映像館

館内にアナウンスが流れて

なんか映写するそうなので観にいきました。


劇場私一人貸しきりでした。


映像の内容は

柳原良平のアンクルトリスのキャラが、

人類の歴史は

いかにデカイ船を持っているか、

たくさん持ってる国が強い証というものでした。




奴隷を船に乗せているシーンです。




貢物を差し出している絵です。




強い船に金品強奪されてスカンピンにされている図らです。



人類の進歩にどれだけ船が大きかったのかが知れました。

過去日本が巨額を投じて戦艦大和作った意味がなんかわかりました。


● 大坂の物流と海運の発達





● 和船の変遷と菱垣廻船の沿革




丸太をくりぬいて作られた古代船



● 伝馬船

これは伝馬船(てんません)で、陸付けできない大きな船から、

いったん荷物をつめてから陸揚げした

ふねの復元物です。

● 新綿番船レース

菱垣廻船をバーチャルで動かしてみようという

「バーチャルクルーズ菱垣廻船」(一回300円)というものですが、

これもすでに廃止されてました。

笑福亭仁鶴師匠の声で菱垣廻船を紹介するビデオコーナーになってます。




● 菱垣廻船の復元

菱垣廻船がどう復元されたのかコーナーです。




「浪華丸」が一度実際海を航海した時の映像ながしてるのですが





よーく見ると「ボタンを押してください」の文字が画面に

うっすら焼きついています。



この、

一回だけの航海に

10億かけた船作るとか





当時の市長、役人たちは


思い切ったことしますね。


市民反対しなかったのでしょうか?










江戸の時代をモチーフにしたスノードームの世界から


ガリバートンネル通って浮世に戻りました。


●アンクル船長のライブラリー 柳原良平の世界<入場無料>





大阪が海上交通の要として発展してきた歴史、


「船は凄いんだぞー」


を学ぶ施設でした。




感想は


私完全に一人貸切状態でしたので、

マイケル気分を満喫できたのに

なんか物悲しかったです。
































10 件のコメント:

  1. 自分も閉館と聞いて今年に入ってすぐ行きましたが、
    もう少し家族連れなどが居てました。

    ここまで閑散としてると寒気がしてきますね……(;・∀・)

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  2. さんぼんさん、コメントありがとうございます。

    橋下市長の買い手のつかない時空館の動画を貼り付けてみました。

    橋下さんのおっしゃっていることは至極ごもっともなのですが、


    こういう、バブル期でしか考えられない壮大な無駄遣いで作られたオブジェ

    こんな面白空間無くなる前に地踏めといて良かったのココロです。

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  3. 10日についに閉館してしましたね……(;´∀`)
    中の船と一体化しているわ、
    海上にあるので更地にもならないわ、と
    よくよく考えれば箱モノのなかでもかなり異質(悪質?)なものでしたね……。

    閉館の件や“くだらない発言”で橋下市長を批難する人もいますが、
    ゆーあびるさんの、この「人っ子一人居ない写真」を生み出すために
    億単位の金がかかっていたことをちょっとは考えて欲しいです。

    ネタとしても、やっぱり高すぎます(笑)

    ※年10万人の入館者では、本当は一人1万5千円以上の入館料でないといけなかったそうです(;´∀`)

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  4. 淡い海底トンネル通って凄い幻想的な空間に自分いざなわれてる感包まれながらエスカレータ上がると見えてくるのが江戸時代の木の船で、一瞬で酔いがさめてしまいました。

    多めに見積もってでの 年間入場者数10万人という数字も うち6割は無料入場者だったそうです。

    大阪府に住んでいる人でも存在すらしらなかった人がいたそうです。


    庁舎など自分たちの周りにはバンバン宣伝貼ってたそうですが・・。

    残念ながら解体するのが一番経済的なのですね、
    建物の形状からプラネタリウムに転用されたら嬉しいなと無責任に提案します。

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  5. 今回、閉鎖に合わせてtogetterでまとめながら皆の意見を読んでいたのですが、
    http://togetter.com/li/467355
    まぁ半分以上は、関心ない感じでしたね~(自分もですが)。
    意外に「遠足で行った」というのが多かったのが、へーって感じで。
    まぁ呟いているのはまだいい方で、確かに存在すら知らないままの人も多そうです。

    個人的にはこの施設は、
    ・住環境から離れた立地
    ・容易に入り込めないセキュリティ制
    ・維持にお金がかかる
    ・奇抜な外観
    等から、橋下市長がやりたがってる「カジノ施設」にピッタリ!(*´∀`)と思うんですが……
    船も、オリエンタルなモニュメントとして外国人ウケしそうですし。

    猛反対する人も多そうですが。

    船以外の資料は、ごく普通の施設に移せば良いと思います。

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  6. あっ!!カジノ案よいですよね、菱垣廻船を宝船にフォルムすげ替えたりとかすれば、壊さずにそのまま残しておいてもよさそうですし。

    成功したらあの場所化ける可能性ありえますね、思ったのはまわりになんにも無さすぎるのが一番弱いと私は感じましたので、お台場見たいにフジテレビあってそれからビーナスフォート、ダイバシティなど資本が流れ込んで一大観光地に様変わりして成功する同じサクセスストーリー歩めるチャンスその一歩が公営ギャンブル場なのかもしれませんね。

    いっそのこと、、新世界が生まれ変わったみたいにラスベガスと見間違うぐらい華やかにして寂れたイメージ払拭したら、もしかしたらですね。

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  7. 検索できました。ニュースでみてきました。
    関西に38年いますが、存在もだし、閉館するのもしらなかったです。
    カジノいいですね。
    コスモスクエアなんかイベントでしか使わない場所ですしね…

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  8. この辺境の過疎地ブログにようこそっ!

    いつの日かあの場所が今では考えられないぐらい華やか壮大に発展したあかつきには

    あの日私が写した、のび太があやまって「どくさいスイッチ」で 世界中の人を消してしまって
    1人になってしまったかのごとくの恐ろしいまでの殺風景なこの風景、

    未来に生きる人が見たとき、「昔は酷かったんだねーしょっぱー」と嘲笑うその日、とっても待ち遠しいです。

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  9. わお。
    ここまで“カジノ案”に真正面から賛成してくれる人は珍しいかも(;´∀`)

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  10. 東京都の猪瀬知事が今月13日の都議会予算特別委員会で「カジノは大人のディズニーランドだ」と発言して、お台場にカジノ作りたいみたいですが、あそこはもう町が完成された節ありますので、大阪が先にカジノ作りたいとも聞きましたし、もう時空館閉鎖したこのタイミングで作っちゃえば良いんじゃないでしょうか。

    成功した暁には、今までの閑古鳥泣くあの状況はフリになって、人は映画「ロッキー」など
    どん底から跳ね上がるヒストリー大好きですし、将来「プロジェクトX」や「ガイヤの夜明け」の制作会社もお話の盛り上がり作るのに困らないでしょうから良かったですね。

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