2011年11月8日火曜日

日本郵船海岸通倉庫



先月訪れた「横浜トリエンナーレ2011」の続きです。

海岸通りにあるもう一つのメイン会場「日本郵船海岸通倉庫」に向かうため


会場同士を巡回する無料バスが10~15分間隔で運行しているので乗り込みます。


場所は日本郵船歴史博物館の裏手にありました。

郵船海岸通倉庫は約60年前ほど倉庫として使われていましたが、前回のトリエンナーレより
「Bank ART of NYK」という名前で芸術作品展示場として転用されています。

この一階の天井から突き出ているのは木の根っこで、2階、3階の作品と関係しています。




デワール&ジッケル「無題」2007


会場で現地制作された作品です。

山下麻衣+小林直人「大地からスプーンを生み出す」2009


二人組みのアーティストで、千葉の海岸でせっせと砂鉄を集め、スプーンを鋳造するパフォーマンスの過程を映像化して、インスタレーションとして発表しています。





イエッペ・ハイン「スモーキングベンチ」2002


最初なんだか分からなくて


何だろう?と眺めていたら




現れた人が座った瞬間

「ぷしゅーっ」て

椅子から煙が噴出しました。


爆笑しました。





デンマーク出身のイエッペ・ハインさんの作品は
楽しくて面白いので私大好きになりました。



アピアリングルーム(現れる部屋)2004年









ループベンチ2006年





ディスタンス・トレイラー








チェンジング・ネオン・スカルプチュア







昨日バルセロナに行きたいとか書いたばかりですが


今は無性にデンマークに移住したい気持ちで溢れています。




カールステン・ニコライ 「フェーズ」2006

細かい霧で満たされた暗い空間の中で、放射された光線がさまざまなかたちを見せるインスタレーションです。


ミュージアムショップ、カフェテラスもその場にあった情緒そのままに残そうとした事が伺えます。

気の合う人となんかと来れたら

ゆっくり作品について語り合える素敵な場所だなって思いましたよですよ。



日本郵船海岸通倉庫は、今はスタジオ、ギャラリーとして使われていますが、裏には船着場があって、かつてここで船積みをしたであろう面影が残っていました。ドックをはさんですぐ向こうに、赤レンガ倉庫が見えます。

そこに一台の舶来物のバスが止まっていて


一匹の犬がいました。


中はまるで、よろしくメカドックの移動喫茶店「パドック」みたいな感じでした。


リナ・バネルジー「お前を捕まえてやるよ、おじょうちゃん!」2009

インド風の大きなランプシェードが天井から吊られ、下には動物のフィギュアや兵隊のおもちゃが世界地図のジオラマ上に並べられています。

古今東西の神話や哲学の要素が渾然一体となった世界をあらわしているそうです。



リヴァーネ・ノイエンシュワンダー「プロソポピーア」




ライトに卵を透かすと文字が浮かび上がります。





落合多武「ひっ掻き 血、猫彫刻」2007


2階にある木の幹の部分


スーザン・ノリー「トランジット」2011





ソン・ドン+イン・シウジェン「Chopsticks3」


ヘンリック・ホーカンソン「根の付いた木」

それで、あの真ん中のが一階の根の上側です。









戸谷成雄「ミニマルバロックIX 2011



ヘンリック・ホーカンソン「倒れた森」2006





こういう柱の文字をあえて建物のリノベーション時にも消さずに
残している所が心憎いです。


ジルヴィナス・ケンピナス作『五番目の壁』

磁気テープを使った作品で、見る角度によって、磁気テープの壁が現れたり、消えたりします。










シガリット・ランダウ
DeadSee(死視) 2005
 

イスラエルのアーティストで有刺鉄線に死海の塩を結晶させた立体作品「棘のある塩のランプ」と


死海に作家自身を浮かべた映像作品を出品しています。

死海に水面に浮かべられた500個のスイカが、250メートルのコードで繋がれ、
渦を描きながら


作家ランダウ自身も螺旋の層の中に閉じ込められるように
浮いています。

渦は次第にほどけていき、最後は青い水面だけが残ります。




『呼吸することは自由、日本、希望と再生』 ジュン・グエン=ハツシバ2011

そのひとつひとつの花は、GPSをつけて被災地を思って走ったみんなの軌跡なんだそうです。




ピーター・コフィン 「無題」 2011


果物の画像は、「3-D medical scan」と呼ばれる技術を使った18個のフルーツの透視図像による透視回転しながらこちらに迫ってきます。







クリスチャン・マークレーの 作品「THE CLOCK」

年代もさまざまなアクション、ホラー、サスペンスなどジャンルも違う映画のシーンで時計がアップになったりして時刻が表示される所を繋ぎ合わせて作られたサンプリング&コラージュの24時間の映像作品です。


マッド 映像は古今東西、数多くありますが、

制作に2年もの歳月費やして作られたものはそうは無いです。


オチが、


いえラストが


存在しえないので


ループの継目である0時と12時の狭間が

気になります。




第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2011年)にて
「個人の部・最優秀賞」に当たる金獅子賞を受賞しました。




フカフカなソファーに寝そべりながら一時間ちょっと観させていただきました。

同じ時間軸で映像が流されるので

トリエンナーレ開場時間の11時から18時までしか観れないのですが

一度だけ10月26日(水)20:00から10月27日(木)20:00で

24時間フルで観るチャンスあったそうです。

夜中や朝方がいったいどんな

映画つなぎ合わせたのか気になるところですが



実際に24時フルで作品見たりする行為は


それはこの作品にとってはさして意味のない行為だと


私は思います。









ヨコハマ創造都市センターにも行ってみました。

中での展示は一つだけでした。


ピーター・コフィン、無題(グリーンハウス)

ピーター・コフィンの作品は、日本郵船海岸通倉庫の果物の飛んでくる映像など
人間と植物の関係性がテーマになっています。




ギター、キーボード、マイク、ドラムなどが温室内に置かれ、中の植物に音楽を 聴かせるというもの。よい音楽を聴かせると植物の生長によい影響を及ぼすという 仮説に対するインスタレーション作品です。

なので会期中に開催されるライブも人ではなく植物に聞かせるためという体なのです。



円形のバルコニーの旗もピーター・コフィンさんの作品でした。
この旗にあしらわれている手は、手のひらを開いた形になっていて、『ノー』と拒絶するのではなく、オープンに、来た人を笑顔で迎えるフレンドリーな手のイメージだそうです。

帰ろうと馬車道駅に向かうと、神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)を発見しました。

三菱東京UFJ銀行の前進だったのだそうです。





Jeppe Hein

今回の横浜トリエンナーレで北欧の気鋭作家イェッペ・ハイン


発掘できてよかったです。










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