2011年7月11日月曜日

もてなす悦び展

私は洋館好きなので、三菱一号館美術館が
去年の4月にオープンした当初喜び勇んで有楽町に向かったのですが、

開館記念として開催されていた展覧会が「マネとモダン・パリ」展と非常にセレブリティー

なのもあり、大混雑で一時間半待ちとかだったので入るの断念しました。


開館して一年以上経ち、そろそろ落ち着いてきた頃だと思い

ふらりと建物見学目的で、


「もてなす悦び—ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」展


に行ってきました。




オリジナルの三菱一号館は明治27年、英国人建築家、ジョサイア・コンドルの設計で、丸の内初の近代オフィスビルとして完成しました。


一号館が建設されると、それにあわせるように煉瓦造のオフィスビルが建設され、その街並みは「一丁倫敦」と呼ばれ親しまれていました。

戦後の高度経済成長により、周りの建物が次々と立て替えられてゆき、一番最後まで残った一号館も1968年(昭和43年)に解体されました。

当時の設計図面や保管部材、写真資料などから明治期の姿を忠実に復元、2010年4月6日、三菱一号館美術館として生まれ変わりました。

http://saitouyuki.blogspot.com/2009/10/blog-post_27.html

http://saitouyuki.blogspot.com/2009/02/blog-post_25.html

上は私が過去に行ったジョサイア・コンドル設計の洋館です。

 明治27年頃の三菱一号館

昭和40年ごろの三菱一号館


前回来た時とは打って変わり、人が少なくてゆっくり建物と展示を鑑賞することができました。






※左は去年のマネ展の時に写したものです。




音声ガイドのナレーションは「香り かぐわしき名宝」展の時と同じ藤村紀子さんでした。




私は洋館の吊り下げ照明がとくに大好物なのですぐに目が入ってしまいます。
これも当時のものを出来るだけ忠実に再現されたものだと思われます。



3階建てのこの美術館は、建物の構造上いくつもの小部屋を渡り歩く構成になるので、
時系列を追っていく展示などに向いていると思います。


中庭の緑で人々がやすらいでいます。初夏の緑って素敵ですね。


復元とは言っても 現代の建築方にそわないといけないので、難しかったそうです。
明治と現代の技術合わさる時を越えた空間結晶に今、自分いざなわれていると思い馳せると
私の小さな胸はキュンキュンきちゃいます。



建物だけではなく、今回の展覧会のことも
少し乗せたいと思います。


ティファニー・スタジオ/ルイス・コンフォート・ティファニー
1880年代、ガラス[アメリカ]

朝顔は、はかなさの象徴である一方で

毎朝新しい花を咲かせることから再生を表すとも言われているそうです。



映し出される影も美しく涼やかさを醸し出します。

部屋が清涼感に包まれていました。





エミール・ガレ 「草花色紙文蓋付瓶」 1870年代 ガラス・鍍金 フランス



 


ロイヤル・ウースター社 「伊万里写ティーセット」 1881年 磁器
菊の文様が西欧風にアレンジされています。







ロイヤル・ウースター社 「吉祥文カップ&ソーサー」 1880年代 磁器


 
 
ミントン社 「桜椿文カップ&ソーサー」 1882年頃 磁器







 
ウースター窯 「色絵菊文鉢」 18世紀 磁器 出光美術館蔵 イギリス


 
 
ミントン社/伝クリストファー・ドレッサー 「日本文物文カップ&ソーサー」 1878-80年頃 磁器 イギリス




フランソワ=ウジェーヌ・ルソー《日本婦人図花瓶》1875-80年頃、ガラス[フランス]




サミュエル・ビング編『芸術の日本』1881-91年[フランス・パリ]




バカラ社《燕花樹文足付花瓶》1870-80年、ガラス・ブロンズ[フランス]

展覧会の中心となっているのは、アメリカ在住の美術蒐集家である、ジョン&ミヨコ・ウンノ=デイヴィー夫妻の
コレクションです。

投資家として成功されて、米ニューヨークにある1884年に建造された歴史のある
高級アパート「ダコタ・ハウス」に1984年に移り住みました。

この空間に合うものをと美術、調度品の収集を集め始めると
1870年代から1910年代の、ジャポニスムの意匠のものが自然と揃っていったのだといいます。

以来約30年にわたり、夫妻が築いたジャポニスム・コレクションの中から

約180点を三菱一号館美術館がこのたび購入したので、

今回の企画展は新所蔵品のお披露目も兼ねているそうです。


ダコタ・ハウス  The Dakota(Dakota Apartments), New York


Dakota Apartments, Central Park West, New York City , c.1890

完成当時は付近がほとんど開発されていなかったため、(西部の僻地にある)ダコタのようだと言ったのが名前の由来だそうです。

ミヨコさんは
「ダコタハウスと三菱一号館は建築年代も近く、
煉瓦(れんが)造りの外観がよく似ているので
コレクションも、わが家に帰ってきた気分でしょう」
とコメントしてます。

今回私が面白いと思ったのは、ジャポニスム収集家のあいだでは、
純粋な日本のものにはあまり興味がないみたいで、

日本の美術工芸品から影響を受けた欧米人の作り出す観点から見た

“ジャパニーズ”模範作品の独特な色合い、ユニークな視点が魅力的なんだそうです。




セントラルパークの向かいに聳えるダコタ・ハウス

ジョン・レノンの住まいだったところとして有名ですね。

1980年12月8日にこのアパートの玄関を出たところで射殺されてしまいました。

満40歳没です。

ああ、どうしよう・・・

私あと2年でジョンが死んだ歳になっちゃう



毎晩、バルスと唱えて眠ります。



ジョン・レノンが住んでいたのはこの部分です。

ちなみに、入居にはお金を持っている他に厳しい審査にパスする必要があるとか。








三菱一号館美術館の中には

かつて銀行の営業室として使われていたスペースに、

二層吹き抜けのカフェ、「Café1894」があります。




この美術館は水曜から金曜の三日間は夜八時まで展示しているので、仕事終わりにも

立ち寄れるなんて嬉しいですね。

「もてなす悦び展」は

8/21まで開催しています。









0 件のコメント:

コメントを投稿