お昼を食べ終わり、二時半ぐらいにヴィエリチカ岩塩坑(Wieliczka Salt Mine)を見学しました。
ヴィエリチカ岩塩坑は世界最大級
そして世界で最古の岩塩坑で
1978年のユネスコ世界遺産に最初に登録された12件のうちのひとつです。
他の方の旅行記を見ると行きは、ほとんどの人が木でできた
螺旋階段(378段)を降りて地下64mまで降りているのですが、
普通にエレベーターで地下まで行けました。
多分空いていたからだと思います。
楽でした。
エレベーターで降りた先、このダニオヴィッチ立坑の地下64m地点から 坑道を見学します。
ヴィエリチカが産する岩塩は、中世のポーランド王国の収入源の3分の1にも及んでいましたが、
近年になると塩が低コストで生産できるようになったことや、坑内の洪水による危険などから、
1996年に商業生産は終了したそうです。
この掘り続けられた岩塩坑は、地下300m、総距離300キロという第1層から第9層とアリの巣のような坑道、
まさにウイザードリィの世界です。
中には巨大な礼拝堂を含め約40もの教会、年に1度試合が行われるサッカーのコートまであります。
しかし、回る箇所は観光客向けに整備されたコース約3.5㎞だけで
全坑道の1%にも満たないそうです。
でもそれ位でよいのだと私は思いました。
こんなGPS到達しえないかも知れない迷宮のラビリンスで迷子にでもなったら
一生、ダンジョンアンドドラゴンの世界さまよい歩くパターンに
はまりかけませんので、
その辺で手を売っておくことが安全で無難です。
岩塩を掘った後には倒壊を防ぐために木材で壁を補強しています。
これは岩盤を削るための掘削機です。
塩を彫る抗夫や坑道を補強する大工さんの他に、馬も重要な働き手だったのですが、
洞窟内に大きな馬を入れるのは難しいので、
最初は仔馬を連れてきて、中で成長し大きくなって、何百年という年月洞窟内で繁殖したそうです。
色を白く塗っているのは、少ない明りが反射され少しでも坑内を明るく保つためだそうです。
Greg Mirzoyan - Bombing down the salt mine in Poland. from Rollerblade on Vimeo.
面白い動画がありました。
ヴィエリチカ岩塩坑の中をインラインスケートで滑走する映像です。
滑っているのは写真家で映像作家でインラインスケーターのGreg Mirzoyanさん。
炭鉱の広さがちょっと伺えます。
岩塩坑は通路→ひらけた空間→通路→ひらけた空間との作りでほんとに蟻の巣みたいです。
聖アントニウスの礼拝堂(St. Anthony's Chapel)
ここはちょっと崩壊していたのですが、ヴェエリチカにある像や聖堂などは、
保存状態を保つのが非常に難しく、湿度のちょっとした変化で、像が劣化してしまう事から、
1989年には危機遺産リストに登録されたことがあるそうです。
今は様々な国からの援助もあり空調設備が整い、危機遺産リストからも外れたそうです。
岩塩で出来たシャンデリア
・ニコラス・コペルニクス(wladystaw Hapek作 : 1973年 : 地下64.4m)
ニコラウス・コペルニクスの「石像」ならぬ「塩像」。 コペルニクス生誕500周年を記念して1973年に造られたそうです。
コペルニクスも、1493年頃にヴェエリチカ岩塩坑に観光客として最初に訪れた1人とのことです。
そして岩塩の彫刻作品は、専門家が彫ったものではなく、ヴィェリチカの鉱夫たちが、仕事のあい間に作成したのだそうです。
キンガ姫に指輪を渡す抗夫(Mieczystaw Kluzek作 : 1967年 : 地下63.8m)
聖キンガ王女の伝説をモチーフとした彫刻です。
ハンガリー王女キンガは、ポーランドの王子との結婚が決まると父ベーラ4世(在位1235~1270年)王から記念に現ハンガリーのマルマロスの岩塩採掘坑を譲り受けました。
王女は結婚に乗り気でなかったそうで、結婚指輪を岩塩坑に投げ捨ててしまいました。
やがてポーランドに嫁ぐ日になり、クラクフへと向かう王女を乗せた行列がヴィエリチカ付近に差しかかったとき、王女が井戸を掘らせてみたところ、水の代わりに岩塩の塊の中からその指輪が出て来たという言い伝えがあり、
これ以後、王女キンガはヴィエリチカ岩塩坑発見者、守り神になって坑夫たちから崇められたというお話です。
悔悛(Mieczystaw Kluzek作 : 1972年 : 地下64.3m)
この塩像は、抗夫の作業様子の一場面を表したもので、
地中深く掘るので地中からメタンガスが噴出するので
メタンガスが空気より軽い性質を読み取り、抗夫たちは、たいまつに火を灯し、姿勢を低くしながら進み、爆発の危険から身を守ったそうです。
カジミエシュ大王の間
当時の坑内での作業の様子が、模型で展示されています。
・カジミエール大王の胸像(wladystaw Hapek作 : 1968年 : 地下63.3m)
実際に使われていた道です。
塩水を地上へと送り出す水路の一つです。
掘り出された岩塩のほとんどは国に収めていたので、岩塩坑で働く坑夫たちは
塩分を大量に含んだ地下水を樋で集めては煮詰めて、自分たち用の塩を作っていたのだとか。
衛生的にどうだか迷ったのですが、記念だと思ってちょっと指を入れてなめてみました。
思っていたよりはしょっぱくなかったです。
地下91m地点にあるホーリー・クロス礼拝堂。
19世紀半ばに作られたそうです。
十字架にかけられたバロック・スタイルのキリスト像は木製で17世紀の物だそうです。
地下101m地点にある聖キンガ礼拝堂
キンガ王女は岩塩層を発見した伝説から、彼女はヴィエリチカ岩塩坑の守護聖人とされています。 その彼女を奉った礼拝堂、塩の教会です。
完成するのに30年要したそうです。
ヴェエリチカ岩塩鉱の最大の見所だけあり、ここだけは撮影するのに10ズウォティ払ってカメラ券を購入しないといけませんでした。
階段から足もとのタイル、天井に輝くシャンデリア、中央の祭壇から周囲の壁の彫刻まですべて岩塩で出来ています。
巨大な岩塩で出来たシャンデリア
最後の晩餐(Antoni Wyrodek作 : 1936~1945年
今も毎週日曜日にはミサが行われ、さらに結婚式やコンサートなども行われています。
ヨハネ・パウロ2世の塩像】
第264代ローマ教皇のヨハネ・パウロ2世の塩像です。
ポーランド出身でスラブ民族初のローマ法王。
旧共産圏諸国(特に母国ポーランド)の民主化運動において、精神的支柱の役割を果たしたそうです。
この像は1999年に作られたもので抗夫ではなく彫刻家によって作られたものだそうです。
地底湖(地下100.4m)
地底湖ではショパンの音楽に合わせた小さな光のショーを見ました。
頑丈に落盤を防ぐ措置がとられた木の柱。
この空間は、岩塩を採掘してできた穴を10年間かけて リフォーム(崩落しないように木で支えるなど)し、2000年に完成した場所で、お店やバーがあります。
ちょっと気になったのですが、
これは何でしょうか?
ドイツの詩人、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ像
ポーランド独立の英雄、ユゼフ・ピウスツキ将軍の像
地底湖は昔ボートに乗って通路の向こうに行けてたのですが、20世紀初頭に、ボートがひっくり返って死者が出た
事故があってから、ボート乗りは廃止されてしまったそうです。
地下125m地点一番大きいお土産屋さんがありました。
琥珀を使ったアクセサリーが豊富です。
岩塩ランプが綺麗ですが、塩の塊って想像より重いです。
帰りの飛行機で重量オーバーになる危険性がはらんでいるので購入する方注意です。
地下123m地点にあるレストランがあります。
ここはサッカーコートとしても使われます。
観光用ルート最後の3層目に聖ヨハネ礼拝堂がありました。
塩の迷路:ヴィエリチカ岩塩坑観光もこれで終わりです。
上がりのエレベータに乗り込みます。
まったく並ばずに乗れました。
所要時間約2時間ほどでした。
リレミトと心の中で唱えて地上に脱出しました。
同じツアーにご一緒させていただいたメンバーです。
返信削除詳細な旅行記、楽しみに観させて頂いています。
素敵ですね。
コメント有難うございます。
返信削除あの旅行は本当に大変失礼いたしました。
神奈川方面にお住まいのマドモアゼルさんですよね?
残念なブログですみません。
中々面白かったです
返信削除ジオラマ作成の参考になりました、ありがとうございます
コメントありがとうございます
返信削除ジオラマ作成?ってヴィエリチカ岩塩採掘場のですか!?
またとんでもないものをお作りなさるのですね。
ぜひ完成した暁には「3D甲子園 プラコン大作」の対戦イベントにいかがでしょうか!